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菜園リニューアルの記

 1年がかりの菜園リニューアル工事が完成しました!振り返ると菜園の整備というより機械たちのメンテに追われる一年だったかも。

 というのもユンボが故障したかと思えば管理機やチェーンソーまでぶっ壊れる始末でそちらにかなり時間がかかりました。一応、自分で修理してみてダメそうならプロに依頼する主義なので時間と手間がかかるのです。なにしろ山の中に機械類があるので気軽にプロに見てもらうわけにいかないという事情が。

 

 ともかく菜園の方は完成しましたのでこれまでの経緯を記録しておきます。

 そもそもこの山の菜園は耕作放棄で竹だらけだった(メダケという細い竹です)のをユンボで掘り起こしたりして開拓し、2017年から作付けを開始しました。以後基本的に不耕起栽培でやってきましたが3年ほど継続してどうも重粘土の土壌には無理があるようなので拡張と同時にリニューアルに踏み切りました。まあ有機農法でも耕作を長年つづけていると不耕起でも作物が出来るようになるそうですが、この山の菜園の場合考えが甘かったというかまず畑の状況を根本的に整えてから再スタートしようと考えました。前に借りていた畑はもと田んぼでやはりおなじように苦労した経験もあり、水はけや土壌の物理特性をまず改善しとこうと思ったのです。

 

 有機農法や自然農法の本にはムギなどを植えさることで土壌を改善できると書いてあります。そこで私もイタリアンライグラスなど蒔いてみたのですが、本来なら1メートル以上根が伸びるはずが50センチがいいところ。何年か続ければ改善するかもしれませんがあまり悠長なことも言ってられません。なにしろ前の畑からだと10年以上は不耕起栽培の試行錯誤を繰り返してきましたから。もう私の寿命の方が残り少ない。

 

 

 まずは竹の刈り取りから開始しました。刈り取りといってもそんな甘いものではなくチェーンソーでバリバリ伐っていくのです。それからユンボで掘り返して地下茎を取り除く。これもクワなどで土の塊を砕いて丁寧に取り除かないとすぐに再生してきます。

 つぎに「チクワ」と言っているのですが、竹を切り刻んでいきます。それが形状といいチクワにクリソツなのです。これもチェーンソーで刻んでいきます。(たぶんこれが原因でチェーンソーが不調に?)当初はこのチクワを竹炭にして土壌改良材とするつもりでしたが、地面に穴を掘って焼く原始的な方法では大した量が出来ず、半分は生のチクワも投入することにしました。

 

 

 秋になってなんとか土壌改良資材がそろったところで地下70センチぐらいのところに竹の束を埋設していきます。これは排水性を改善するのが目的です。ここでまたユンボが活躍。でも冬になってエンジンがかかりづらくなりついにユンボ君も冬眠。エア抜きなど一通りのメンテをやっても始動せず一大決心をしてプロに依頼。一応特殊機械なのでプロにたのむと修理代がはんぱなくかかるのです。結果はみごと復活!したものの請求書をみると喜んでばかりはいられない。

 

 

 でもまあ操作系もメンテしてもらって軽快に作業再開。ルンルンで整地していきます。50から30センチの層にはチクワと竹炭とバーク堆肥を投入。管理機で耕耘します。(この管理機も不調で修理に出すはめになるのですが長くなるので割愛)

 菜園はゆるい傾斜地なので伐り出してあったシイノキの丸太を半割にして土止めします。勿論チェーンソーで半割にするのですがこのチェーンソーも不調に・・・。私の愛機は奮発してプロ用なので修理もそれなりにかかるのです。なので出来るだけのメンテは自力でやりますが今回はギブアップ。もう春の作付けまで時間がない。それで修理に出すとピストンの焼き付きという重症でほぼエンジン全とっかえ。軽トラの車検代と同じぐらいの出費となりました・・・トホ。

これも修理から戻るとユンボ同様みごと復活です!バーも短いものに交換してもらい使いやすさも上々。(もう修理代が高額すぎて感覚がマヒしてる)鼻歌まじりで快調に直径20センチ長さ4メートルのシイノキを二枚におろし土止めも完成!!

 作土層には完熟堆肥とモミを鋤き込み、通路にはカバープランツとして赤クローバーとライムギを蒔きました。最後に別の畑からヒメオドリコソウとハコベとオオイヌノフグリがセットで生えているところを土ごと移植して完成です。ちなみにこれらは自然農法のステージがかなり上がった段階で出現する草たちでそちらの畑は土壌がうまい具合に出来ているということですね。ハコベなんて5ミリぐらいの小さな白い花が付いているのですがこれを畑で見つけたときにはちょっぴり感動。その畑は半不耕起でやってきましたがそれなりに土壌が良くなっていたのです。

 菜園づくりに関しては竹内孝功さんの著書を参考にしています。ワークショップにも参加したことがあり竹内さんの真面目な人柄も好感がもてますし、その自然農法もとても実践的で明快なところが気に入っています。が今回とくに思ったのは自分なりにアレンジすることが大切だということです。適地適作といいますが何が適しているのか各々観察と試行錯誤が欠かせない。まあ何事もそうですね。

 

  さあ!やっと作付け。春本番となりさらに忙しくなりそうです。菜園は完成しましたがこの後育苗用の温室や倉庫も建てる予定ですし、なにより集大成ともいえるあるプロジェクトもすでに始動しているのです。そのプロジェクトについてはまたの機会に。